BCG健康遺伝子情報011:CYP1A2遺伝子
Updated on 25th June, 2016
カフェインと健康に関わる遺伝子
遺伝子多型番号:rs762551
- 応用できる健康管理 → 快眠の向上、バストボリューム、乳がん予防など
- 遺伝子による体質差 → カフェインの代謝能力
Wタイプ:カフェインの代謝が高い体質(良性変異)(A:A)
Hタイプ:カフェインの代謝が普通の体質(C:A)
Vタイプ:カフェインの代謝が普通の体質(C:C)
Hタイプ:カフェインの代謝が普通の体質(C:A)
Vタイプ:カフェインの代謝が普通の体質(C:C)
遺伝子型と体質
CYP1A2遺伝子は主に3種類の遺伝子の型が報告されていて、BCG健康遺伝子011ではカフェインに対する体質の差を占います。研究報告において、HタイプとVタイプの遺伝子を持っている人はカフェインの代謝が低く、Wタイプの遺伝子をもっている人はカフェインの代謝が高いことが報告されています。また、閉経前の健康な女性でホルモン治療を行っていない女性を対象にした研究では、HタイプもしくはVタイプの遺伝子を持っている女性で1日に一般的なコーヒーカップで3杯以上のコーヒーを毎日飲んでいる人はバストサイズ(ボリューム)が小さくなることが報告されています。Wタイプの遺伝子を持っている人の場合1日2杯以上のコーヒーを飲んでいる人はコーヒーの摂取が少ない人よりも乳がんもしくは腫瘍の診断を受ける年齢が遅くなる傾向があることが報告されています。つまり、Wタイプの遺伝子を持っている人の場合、カフェインの代謝が高い体質(カフェインが快眠を妨げにくい体質)を持ち、また適度なカフェイン摂取が乳がん予防に一定の効果があることが示唆されます。カフェインには覚醒作用があるため、HタイプやVタイプの遺伝子を持っている人の場合、夕方に摂取されたカフェインが就寝時までに代謝されていないと快眠 を妨げる原因になります。またHタイプやVタイプの遺伝子を持っている人でバストサイズが気になる場合は控えめなカフェイン摂取をお奨めします。一方でWタイプの遺伝子を持っている人はHタイプやVタイプの遺伝子を持っている人よりもカフェインの代謝が早いため、ほどほどのカフェインを夕方に摂取しても就寝時までに代謝され易い体質です。また適度なカフェイン摂取は乳がん予防効果が期待できますが、その効果の程度については研究が進められている段階でもあり過剰に効果を期待することは禁物です。いずれにしても、過度なカフェインの摂取は人体に有害であるため、自分の体質と健康管理に適した摂取量と摂取時間を心がけることで、快眠やバストケア(バストサイズや乳がん予防)などの健康管理に役立てることができます。以下の表1には過度なカフェインの摂取とその影響を体質別(遺伝子型別)に簡単にまとめてあります。
表 1 BCG健康遺伝子011と関係するカフェイン摂取による健康への影響(遺伝子型別)
Wタイプ | Hタイプ | Vタイプ | |
---|---|---|---|
快 眠 | 妨げられにくい | - | - |
バストサイズ | - | 小さくなる | 小さくなる |
乳がん予防 | ○ | - | - |
参照文献
- Sachse C1, Brockmöller J, Bauer S, Roots I. (1999). Functional significance of a C-->A polymorphism in intron 1 of the cytochrome P450 CYP1A2 gene tested with caffeine. Br. J. Clin. Fharmacol.
- Erika Ba geman, C. I. (April 2008). Coffee Consumption and CYP1A2*1F Genotype Modify Age at Breast Cancer Diagnosis and Estrogen Receptor Status. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2008.
- H Jernstrom, Henningson, U Johansson and H OlssonM. (2008). Coffee intake and CYP1A2*1F genotype predict breast volume in young women: implications for breast cancer. British Journal of Cancer.
- National Center for Biotechnology Information. (2016). 参照先: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
- International HapMap Project. (2016). 参照先: http://hapmap.ncbi.nlm.nih.gov/

遺伝子型の違いによる健康への影響は生活習慣や環境による影響がはるかに大きいため、遺伝子情報の違いによる体質差は参考情報としてご参考下さい。ブラケアでは女性の健食、健活、健眠をサポートする情報を提供します。
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