BCG健康遺伝子情報012:NQO1遺伝子
Updated on 5th July, 2016
活力と健康に関わる遺伝子
遺伝子多型番号:rs1800566
- 応用できる健康管理 → 活動量の調整、リラクゼーション、肺がん予防、乳がん予防など
- 遺伝子による体質差 → 活力(コエンザイムQ10の量)
Wタイプ:普通の体質(C:C)
Hタイプ:普通の体質(C:T)
Vタイプ:活力が高めの体質(良性変異)(T:T)
Hタイプ:普通の体質(C:T)
Vタイプ:活力が高めの体質(良性変異)(T:T)
遺伝子型と体質
NQO1遺伝子は主に3種類の遺伝子の型が報告されていて、BCG遺伝子検査012で確認する遺伝子型の違いにより活力に対する体質が異なります。コエンザイムQ10は細胞がエネルギーを作る上で不可欠な物質で、コエンザイムQ10が不足すると細胞がエネルギーを作ることができなくなります。その結果、細胞の機能低下や細胞の数が減少し、老化や疾病との関係も報告されています。コエンザイムQ10は、活性酸素を除去する高い抗酸化作用により若々しさと健康の維持に重要な役割を果たしていることが報告されており、コエンザイムQ10が不足すると人によっては倦怠感、頭痛、肩こり、肌荒れ、手足の冷えや むくみ、血行の不順、かぜ、ボケなどの悪い症状が出ることが報告されています。研究報告において、Vタイプの遺伝子型を持っている人はHタイプやWタイプの遺伝子型を持っている人と比べてコエンザイムQ10の量が多めであることが報告されています。原因不明の倦怠感、頭痛、肩こり、肌荒れがある人はコエンザイムQ10が不足している可能性があり、特に還元型のコエンザイムQ10を摂取することで改善されることがあるようです。日本人の約37.2%がWタイプの遺伝子型、約51.3%がHタイプの遺伝子型、約11.5%がVタイプの遺伝子型を持っていることが国際HapMap計画と呼ばれている国際研究プロジェクトにより報告されています。つまり、約88.5%の日本人はコエンザイムQ10が不足しがちな体質を持っていることが推察できます。リラクゼーションが疲労回復やスキンケアにつながり難い人は、コエンザイムQ10を適切に補うことでリラクゼーションの効果を高めることがで きるかも知れません。研究報告ではBCG健康遺伝子012の遺伝子型に関係なく還元型のコエンザイムQ10を適量14日間摂取することでコエンザイム Q10の量が改善されることが報告されています。NQO1遺伝子と肺がんに関係する報告もあり、喫煙歴のない人を対象とした研究においてHタイプとVタイプの遺伝子型を持っている人は、Wタイプに比べて更年期に肺がんになっている人の割合が低いことが報告されています。また、その中で受動喫煙にさらされる環境にあると申告した人のグループに限定するとHタイプまたはVタイプの方が肺がんになっている割合が低い傾向がより顕著になるとも報告されています。ただしこれは喫煙に良性の効果もあるという意味では決してなく、HタイプとVタイプの人の方が煙草の煙の毒性に対する耐性がやや高い可能性を示していると考えられます。最後に、体内のコエンザイムQ10レベルが高い人ほど乳がんになる人の割合は高いとの報告があります。また、乳がんになった人でHタイプもしくはWタイプの遺伝子型を持っている人ではVタイプの遺伝子を持っている人よりも生存率が高いことが報告されています。また、Vタイプの遺伝子を持っている人は抗がん剤によってはその治療効果が他の遺伝子型を持っている人よりも低いことも報告されています。つまり、Vタイプの遺伝子型を持っている人は他のタイプの遺伝子型を持っている人よりも乳がん検診を詳細に行い、自分の体質に合うお薬を医師と相談することが大切かも知れません。
表 1 BCG健康遺伝子012と健康への影響(遺伝子型別)
Wタイプ | Hタイプ | Vタイプ | |
---|---|---|---|
コエンザイムQ10の量 | 普 通 | 普 通 | 多 め |
肺がん(喫煙と関係のない)耐性 | 普 通 | 高 め | 高 め |
乳がん耐性 | 高 め | 高 め | 普 通 |
参照文献
- Bock CHAS, Cote ML, Land SJ, Schwartz AG.Wenzlaff. (2005 Feb). NQO1 T allele associated with decreased risk of later age at diagnosis lung cancer among never smokers: results from a population-based study. Carcinogenesis.
- Alexandra FischerSchmelzer, Gerald Rimbach, Petra Niklowitz, Thomas Menke, and Frank Döringcorresponding authorConstance. (2011 Jul 21). Association between genetic variants in the Coenzyme Q10 metabolism and Coenzyme Q10 status in humans. BMC Res Notes.
- Fagerholm RB, Tommiska J, Aaltonen K, Vrtel R, Syrjäkoski K, Kallioniemi A, Kilpivaara O, Mannermaa A, Kosma VM, Uusitupa M, Eskelinen M, Kataja V, Aittomäki K, von Smitten K, Heikkilä P, Lukas J, Holli K, Bartkova J, Blomqvist C, Bartek J, NHofstetter. (2008 Jul). NAD(P)H:quinone oxidoreductase 1 NQO1*2 genotype (P187S) is a strong prognostic and predictive factor in breast cancer. Nat Genet.
- Fagerholm RK, Heikkinen T, Bartkova J, Heikkilä P, Aittomäki K, Bartek J, Weaver D, Blomqvist C, Nevanlinna H.Sprott. (2013 Nov). Overabundant FANCD2, alone and combined with NQO1, is a sensitive marker of adverse prognosis in breast cancer. Ann Oncol. .
- Jamshidi M, Bartkova J, Greco D, Tommiska J, Fagerholm R, Aittomäki K, Mattson J, Villman K, Vrtel R, Lukas J, Heikkilä P, Blomqvist C, Bartek J, Nevanlinna H.Bartkova. (2012 Apr.). NQO1 expression correlates inversely with NFκB activation in human breast cancer. Breast Cancer Res Treat.
- Weiwen Chai, Robert V. Cooney, Adrian A. Franke, Yurii B. Shvetsov, Christian P. Caberto, Lynne R. Wilkens, Loïc Le Marchand, Brian E. Henderson, Laurence N. Kolonel, and Marc T. Goodman. (2010) Plasma Coenzyme Q10 levels and Postmenopausal Breast Cancer Risk: The Multiethnic Cohort Study. Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev.
- National Center for Biotechnology Information. (2016). 参照先: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
- International HapMap Project. (2016). 参照先: http://hapmap.ncbi.nlm.nih.gov/

遺伝子型の違いによる健康への影響は生活習慣や環境による影響がはるかに大きいため、遺伝子情報の違いによる体質差は参考情報としてご参考下さい。ブラケアでは女性の健食、健活、健眠をサポートする情報を提供します。
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