BCG健康遺伝子情報008:MC4R遺伝子
Updated on 25th June, 2016
食欲と健康に関わる遺伝子
遺伝子多型番号:rs2229616
- 応用できる健康管理 → 食事管理、メタボリックシンドローム予防、肥満予防、乳がん予防など
- 遺伝子による体質差 → 食欲や代謝
Wタイプ: 一般的な体質(G:G)
Hタイプ: 肥満耐性の体質(A:G)
Vタイプ: 肥満耐性の体質(A:A)
Hタイプ: 肥満耐性の体質(A:G)
Vタイプ: 肥満耐性の体質(A:A)
遺伝子型と体質
MC4R遺伝子には多くの変異個所が報告されていますが、その内のBCG健康遺伝子008で確認する場所には主に3種類の遺伝子の型が報告されており、この遺伝子型の違いにより肥満や食欲に関する体質が異なります。 研究報告において、VタイプもしくはHタイプの遺伝子を持っている人はBMI(Body Mass Index:ボディー・マス・インデックス)が低い傾向が報告されています。日本人の約99%の人がWタイプ、約1.2%の人がHタイプ及び約0%の人がVタイプの遺伝子を持っていることが国際HapMap計画と呼ばれている国際研究プロジェクトにより報告されています。一般的に、BMIは肥満の度合いを評価する指標で、身長と体重から算出することができます。BMIの推定式:BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)
BMIが25.0を超えていることが肥満の指標の一つとされ、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病や乳がんなどにかかりやすいとされています。VタイプもしくはHタイプの遺伝子を持っている人はWタイプの遺伝子を持っている人と比較した場合にBMIが低いことが報告されています。また、メタボリックシンドロームと関係する腹囲(ウエスト)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)及び血圧などとも関係していることが報告がされていますが、BMIの値や年齢などに分けて遺伝子型との関係を分析するとその関係の度合いも異なることが報告されていま す。VタイプもしくはHタイプの遺伝子を持っている人で肥満度が高い人は体質以外の要因が肥満に影響している可能性が疑わるため医師などの専門家と相談することで肥満の原因を明らかにすることができるかも知れません。MC4R遺伝子は食事の摂取量をコントロールする機能や体のエネルギー消費量をコントロールする機能と関係していることが知られており、生活習慣や摂取する栄養(特に脂質や炭水化物)によって肥満やメタボリックシンドロームになる因果関係などが調べられています。実際にはMCR4遺伝子だけでなく栄養と体質に関わる他の遺伝子との関係も調べることで、個別化された栄養と健康の関係を明らかにし、自分の体質に応じた食事管理を行う事で健康の維持や向上に役立てられることが期待されます。
表 1 BCG健康遺伝子008の肥満への影響(遺伝子型別)
Wタイプ | Hタイプ | Vタイプ | |
---|---|---|---|
太りやすさ | 普 通 | 太りにくい | 太りにくい |
参照文献
- Iris M. HeidVollmert, Florian Kronenberg, Cornelia Huth, Donna P. Ankerst, Andreas Luchner, Anke Hinney, Günter Brönner, H.-E. Wichmann, Thomas Illig, Angela Döring and Johannes HebebrandCaren. (Feb. 2008). Association of the MC4R V103I Polymorphism With the Metabolic Syndrome: The KORA Study. The Obesity Society.
- Marianne Benn, Anne Tybjærg-Hansen, George Davey Smith, Børge Grønne Nordestgaard. (2016). High body mass index and cancer risk—a Mendelian randomisation study. Eur J Epidemiol.
- 肥満症診断基準2011。日本肥満学会
- National Center for Biotechnology Information. (2016). 参照先: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
- International HapMap Project. (2016). 参照先: http://hapmap.ncbi.nlm.nih.gov/

遺伝子型の違いによる健康への影響は生活習慣や環境による影響がはるかに大きいため、遺伝子情報の違いによる体質差は参考情報としてご参考下さい。ブラケアでは女性の健食、健活、健眠をサポートする情報を提供します。
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